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 第68次合同教育研究全道集会に参加された組合員・保護者・共同研究者の皆さん大変ご苦労様です。また、集会の成功に向け準備万端を整えていただきました帯広市支部の組合員をはじめ、地元、会場校など関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
 まず、9月6日に発生した「胆振東部地震」は、全道各地に甚大な被害をもたらしました。被災した皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 今回の地震では、直接的な被害とともに、「ブラックアウト」によって道民の生活や北海道経済に大きな被害がありました。「停電」が厳冬期だったら、泊原発が再稼働していたらと考えると戦慄が走る思いです。徹底した原因究明と再発防止を求めるとともに、原発再稼働を許さず、すべての原発廃炉と再生可能な自然エネルギーの推進に向け運動を一層強化していかなければなりません。

 さて、第4次安倍内閣が発足しました。就任早々柴山文科大臣は、「教育勅語」について、「同胞を大事にする。国際的協調を重んじるなど基本的な内容、現代風にアレンジして教えていくことは検討に値する」「普遍性をもっている部分が見て取れる」などの暴言を吐きました。「教育勅語」は、「神話的国体観に基づいている」「基本的人権を損なう」など、憲法・教育基本法の理念に反することから、1948年衆・参両院で排除・失効確認がされています。

 特に、参議院の失効確認では、「教育勅語等が従来の如き効力を今日なお保有するかの疑いを懐く者あるをおもんばかる」として、政府に教育勅語その他の詔勅の謄本をもれなく回収するよう求めています。文科大臣の発言は、こうした国会決議の内容に悉く反し、「道徳教育で教える」など論外で、断じて許されません。
 この夏に、私は鹿児島県の知覧を尋ねました。それは、今話題となっている「不死身の特攻隊」という鴻上尚史(こうかみ しょうじ)さんの本を読んだことがきっかけです。9回出撃して、生きて帰ってきた「当別町出身」の「佐々木友次(ともじ)」さんを描いたものですが、当時、「特攻」で華々しく散ることは絶対的命令で、体当たりすること自体が「自己目的化」される中で、死ぬことよりももっと大事な使命があるとの確信にもとづき、これに背き続けた人物の実話です。

 今、「特攻隊」をはじめ、かつての戦争を題材にした本が話題となり、「教育勅語」の復活を願う動きがある中で、「忠君愛国」「国のために身命を投げだして努めよ」という「修身」など戦前・戦中の教育が果たした役割と多くの若者たちを戦争に追いやった現実を、改めて直視することが求められているのではないでしょうか。

 「9条改憲」が目論まれ、「特定の教科道徳」をはじめ、「国家に都合の良い人材づくり」をめざす「学習指導要領」の移行措置がスタートする歴史的な転換点の中で開催される今次教研は、私たちがすすめてきた自主教研運動の真価が問われる大事な集会と言えます。
 この時にあたり、皆さんとともに、教研集会が何を目的とし、どのような問題意識で始められたのかを振り返り、自主教研の原点を確認したいと思います。

 第1次教研は、1951年11月に日光で開催されました。当時の状況は、前年の朝鮮戦争勃発を契機に、自衛隊の前身である警察予備隊が創設され、教員の政治活動の制限、特設道徳と国定教科書が目論まれるなど、国家主義的な政策が急速に強まりました。先輩教職員が、こうした状況を深刻に受け止め、戦前・戦中の教育への痛切な反省のもと、平和への固い決意を出発点として、自主教研をスタートさせました。これに先立つ1月に開催した中央委員会において日教組は、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを採択し、第1回と第2回の全国教研の講演のテーマは「平和と教育」でした。

 教研の基本目標を「平和を守り真実を貫く民主教育の確立」と定めたのも、平和と教育を自らと国民の手で守りつくることが自主教研の原点であると考えたからでした。
 今日の情勢を捉えるなら、この重要性がますます増大しています。68次の自主教研の積み重ねは、その時々の教育への攻撃を、地域と現場からの実践に根ざしたエネルギーによってはねのけ、民主教育を確立してきた確かな足取りでありました。

 今、政府主導の教育は、子どもたちを孤立・分断化し、排他的な競争意識や自他への不信感を拡大させ、いじめ・不登校・引きこもり・暴力行為・自殺など苦悩を一層深刻化させています。
 教職員の超勤・多忙化解消は、待った無しの課題です。現在中教審で論議されているような単なる業務の効率的運用や組織機構の整備ではなく、正規の勤務時間内に業務を終えることが可能な定数増、持ち授業時間数減とともに、「給特法」の廃止・見直しなど抜本的な法整備を求めて行かなければなりません。
 私たちはこの間、学校現場の危機的な状況を踏まえ、学校改革・教育課程自主編成推進委員会「報告」などをもとに、組織的に学習を深めてきました。学校のあらゆる場面で、憲法・「子どもの権利条約」の理念にもとづき、学ぶ権利と教育活動への参画を保障し、学校が子どもたちにとって安心して生活し学ぶ場となるよう実践を強化しなければなりません。
 教研集会に参加した皆さん。すべての分科会で、持ち寄った実践をもとに交流してください。
 今、私たちが置かれている社会・経済状況と政府・文科省の「政策」がめざすものを厳しく分析・批判し、子どもの現実や地域・社会と教育のかかわりなどについて議論を深めてください。平和で民主的な社会を希求する主権者を育むため、「抵抗と創造」の自主編成のとりくみを強化し、地域・保護者と連帯して具体的運動をすすめる方向性を確認していただきたいと思います。

 「教え子を再び戦場に送るな」の固い誓いのもと、子どもたちが意欲をもって学ぶことができるよう、「平和を守り、真実を貫く民主教育の確立」にむけて、本集会が、さらなる前進をはかる場となることを願い挨拶とします。ともに頑張りましょう。
  2018年11月2日

                              北海道教職員組合 中央執行委員長

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