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 北教組第130回定期大会にお集まりいただきました代議員、傍聴者の皆さん、おはようございます。
 また、大変お忙しい中をご出席下さいました、ご来賓の皆様に心よりお礼申し上げます。
 さて、北教組は、昨年6月の定期大会以降今日まで、憲法改悪阻止・戦争法撤廃、改訂「学習指導要領」の押しつけに対峙する自主編成と組織の強化・拡大、差別賃金・超勤排除など勤務条件改善、そして、統一地方選挙での北政連議員の完勝をめざして、組織の総力を挙げたたかって参りました。
 これらの闘いの中で、現状の厳しさに直面しながらも、私たち北教組の運動の意義と組織の団結力を確認し、今後の闘いにつながる成果を勝ち取ることができました。

 今次統一地方選挙は、北海道議会議員選挙において、3人の新人「江別市・木葉淳」「十勝・小泉まさし」「札幌市北区・山根まさひろ」と合わせて「函館市・平出陽子」「後志・市橋修治」「岩見沢市・中川ひろとし」の6人の北政連道議の当選を勝ち取ることができました。また、市町村議員選挙においても、「札幌市・竹内ゆみ」「旭川市・横山けいいち」「岩見沢市・日向きよかず」、新人3人を含む18人全員の当選を果たすことができました。全道の組合員・退職者の皆さんの奮闘に改めて感謝申し上げます。
 しかし、16年ぶりの新人対決でありながら、石川知事を実現できず、道議会自民党の単独過半数を許し、小樽市・川澄候補の道議再選を逃したことはきわめて残念であり、組織として重く受け止めなければなりません。
 今次の闘いの成果と課題について、本日の議案において総括を行っておりますので、充分に議論を頂き、参院選勝利に向けて、改めて北教組現退の組織固めをしっかりとすすめ、とりくみを強化していかなければなりません。

 5月3日の憲法記念日、安倍首相は改憲派の集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年の改正憲法施行に変わりはない」と述べ、「改元を機に、憲法改正に向けた議論を加速させるよう」呼びかけました。祝賀ムードを利用して改憲に向けた機運を煽ろうとする姑息な姿勢が露わです。また、この中で「9 条への自衛隊明記」と「教育の無償化」を強調し、改憲を訴えています。

 5月10日、消費税増税を財源に「幼児教育・保育、高等教育の無償化」と銘打って、改正「子ども・子育て支援法、大学修学支援法」が可決されました。
 しかし、日政連神本参議院議員も本会議の反対討論で指摘しましたが、「待機児童解消や保育園の定員増を後回しにし、修学金の支援対象や要件もきわめて限定されている」ことなど、憲法26条が保障する「すべての子どもの学ぶ権利」や「教育の機会均等」を保障するものではありません。真の無償化とはかけ離れた偽看板で、改憲のための「呼び水」です。
 そもそも憲法26条2項は、「義務教育はこれを無償とする」と定めていますが、現実は、教材費や給食費、修学旅行費など保護者に大きな負担を強いています。まずは、義務教育段階の膨大な保護者負担を無償化した上で、幼・保や大学教育の無償化を実現すべきであり、本末転倒です。
 なお、「憲法26条」について、札幌弁護士会「憲法応援団」の一員として北教組弁護団・後藤徹弁護士がYouTubeで条文解説3分間メッセージを行っています。その中で、日本国憲法が「義務とされた教育を、等しくすべての子どもに権利として保障した意義」を、現在の「教育政策」への厳しい問題指摘とともに、解説しています。是非、観ていただきたいと思います。

 今年1月に出された超勤・多忙化解消に向けた中教審「答申」は、私たちが求めてきた「給特法」廃止・見直しをはじめとした法整備や一人の教員の持ち授業時間数削減に向けた定数改善など抜本的な改革を先送りしました。業務の効率化と勤務時間管理に重点が置かれた「時間外勤務の上限を45時間」とする文科省「ガイドライン」と、労基法の趣旨をさらに逸脱させる「1年単位の変形労働時間」導入を可能とするもので、多忙化を一層加速させかねないものです。その根底には、改訂「学習指導要領」にもとづく差別・選別の「国のための教育」の徹底と財政論を最優先し、教育現場の実情を顧みない、日教組敵視の政権の姿勢があります。
 私たちは、競争と管理の「政策」に対峙し、子どもたちのゆたかな教育を培うため民主的な職場づくりと自主編成を強化するとともに、一方的な国の制度変更を許さず、抜本的な勤務・教育条件の改善を要求し、引き続き全国的な運動を強化していかなければなりません。

 今、子どもたちが犠牲となる事件が相次いでいます。子どもたちのいのちが失われた事実は重く、いのちと安全を守り、一人ひとりの子どもに寄り添う環境整備を社会全体ですすめることが急務です。
 一方で、川崎市の殺傷事件の後、「死にたいなら一人で死ね」いう非難に対し、「控えてほしい」「社会はあなたを大事にしているし、何かができるかもしれない。社会はあなたの命を軽視していないし、死んでほしいと思っている人間などいない」というメッセージこそ必要だと警鐘を鳴らした、生活困窮者の支援を行うNPO代表の発信が注目を集めました。事件を繰り返さないためには、社会から阻害された人々を突き放すのではなく、むしろ、彼らの尊厳を大切に思っていると社会がメッセージを出すことの重要性を指摘しています。

 今、自由競争と自己責任にもとづく政府の「政策」によって、財界や強いもののための社会がつくられ、「頑張っても報われない」深刻な「貧困と格差」がさらに広がっています。「アンダークラス」と言われる「非正規労働者」が928万人存在し、平均個人年収は186万円、就業者の14.9%を占めるなど、「格差社会」が一層拡大し「階級社会」となっている報告がされています。
 憲法で保障されている働く権利や最低限の生存権が侵害され、将来に対する絶望感や閉塞感が蔓延し、社会とつながりが絶たれ、苦しむものが増え続けています。私たちは、現在の社会・経済・政治状況を厳しく問い直し、根強い自己責任論を排し、働くことの価値と尊厳が保障され、「誰一人取り残さない」共生と連帯、多様性と包摂性のある社会に変えていくとりくみをすすめなければなりません。

 子どもたちも、格差社会の中で、将来の「希望」さえ家庭の経済状況に左右され、多くの子どもは学校を卒業しても働く場がないなど、努力しても報われない不安感を持ちながら学校生活を過ごしています。
 こうした社会状況と子どもたちの要求と乖離した競争と管理の「教育政策」によって、子どもたちは孤立・分断化され、排他的な競争意識や自他への不信感を拡大させ、学習離れが一層すすみ、いじめ・暴力・不登校・引きこもり、自殺など様々な形で大人に苦悩を発信しています。
(毎日新聞朝刊の「余禄」で紹介されましたが)詩人の「吉野弘」さんは、「奈々子」という詩で、誕生した長女に、こう呼びかけます。

お父さんが
お前にあげたいものは
健康と
自分を愛する心だ。
ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ
自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう、・・・

お前にあげたいのは、香りのよい健康と
かちとるのにむずかしく
はぐくむのにむずかしい
自分を愛する心だ ・・・と。

 人は自分を愛せなくなれば、他人や世界も意味を失い、道徳も倫理も底が抜けてしまいます。私たちは、現在の社会状況と密接に関係する子どもたちの現実をしっかりと受け止め、誰もが、自分を愛する心を育み、夢や希望を持って生きて行けるよう、将来の主権者たる子どもたちの教育とそのための社会づくりをすすめていかなければなりません。

 2019・20年度の運動課題について述べます。
 課題の第1は、改憲発議を断じて許さず、平和憲法を守り、民主主義を取り戻すため「対話」を基盤とした道民運動を強化すること、第2に、超勤・多忙化解消をめざし、「給特法」廃止・見直しや定数改善など抜本的な勤務・教育条件改善をすすめること、第3に、改訂「学習指導要領」に対峙し、人権や民主主義を根づかせる主権者を育む実践を強化すること、第4に、北教組の運動と組合参加の意義を伝え、連帯するとりくみを通して、若い教職員の加入拡大につなげることです。
 最後に、当面の最大の課題は、参議院選挙の勝利です。

 私たちは、安倍政権が「9条改憲」に突き進む中で、「教え子を再び戦場に送るな!」の決意を新たに、断じて戦争を許さず、平和・人権・民主主義が保障される社会と民主教育の確立をめざさなければなりません。
 失った労働の尊厳を回復し格差社会を転換させ、「国民の側に立つ政治」と「等しく子どもたちに教育が保障される社会」を取り戻すため、北海道選挙区「勝部けんじ」、比例区「水岡俊一」両候補の完勝に向けて、現退一致で、組織の総力を挙げて闘うことを確認し合いたいと思います。
 そして、衆参同日選挙は見送りとの報道ですが、私は10月消費増税と来年のオリンピック開催を考えれば、そう遠くない時期に解散総選挙があると思っております。北教組は、「解散総選挙を求める」との方針で、常に臨戦態勢です。その場合は、日政連・1区「道下大樹」、4区「本多平直」衆議院議員をはじめ、連合推薦候補者全員の圧倒的勝利をめざし、闘おうではありませんか。

  本定期大会が、皆さんの真摯な討議によってたたかう北教組の方針が確定す ることを心よりご期待申し上げ、中央執行部を代表しての挨拶とします。とも に頑張りましょう。
  2019年7月9日

                                      北海道教職員組合

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