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 各学校に「栄養教諭」の配置がすすめられていますが、「栄養教諭」とは栄養士・管理栄養士と何が違うのか。これらの違いを明確に説明できる教職員はそれほど多くはないのでしょうか。第1回目の今回は、栄養職員制度の変遷と「北教組栄養教職員特別委員会」のあゆみをお伝えします。
 栄養士・管理栄養士は病院や保健所・老人ホームや自衛隊など病態を専門とし、特殊な栄養管理を必要とする場を職場として活躍しています。しかし小学校・中学校・しょうがい児学校などの教育現場で働く栄養教諭においては、これらの栄養士・管理栄養士の資格の他、教員の免許も併せ持っていなければなりません。
 2005年に「栄養教諭制度」が始まり、「栄養教諭」の配置がすすめられ、2018年現在、道内には556人(内「学校栄養職員」は107人)の栄養教職員が配置されており、「栄養教諭」の占める割合は毎年増えています。
 北教組は1982年9月27日、第1回学校栄養職員特別委員会を開き、「特別委員会」の発足を正式に確認するとともに、82年度活動方針を決定しました。市町村費負担職員から道職員に身分を切替えた栄養職員の労働条件改善や学校給食改善のために活動をしていくことが決まり、当時22人の組合員でスタートを切りました。

 2012年、「栄養教職員特別委員会」に名称変更され、組織強化・拡大がすすめられてきました。今日まで36年の間、特別委員会として十分な体制がとれない時期もありましたが、現在では決議機関としての「委員会」を開催し、1年間の運動の総括をするとともに新たな運動方針を決定するとりくみを続けています。最も大きな課題は労働条件改善や学校給食改善ですが、栄養教職員が抱える課題はそれだけではありません。さまざまな問題の改善をめざし、年に2回学習会を開いて協議・交流を行っています。

 管理職や地教委・道教委に実態を伝え改善を求めるには、組織化が必要です。少数職種だからこそ、より横のつながりが大切です。
 勤務条件などを改善するにあたって北海道の行政では解決できず、法律を変えなければならないこともあります。そのような問題は、文部科学省に要求しなければなりません。そのため、日教組にも栄養教職員部があります。
 このように全道、全国各地で組織化され、学習会や交流会で学び合い、語り合いながら要求事項をまとめ、行政に伝えているのです。
 全道各地に勤務している栄養教職員一人ひとりの悩みを共有し、勤務条件改善のため、一体となりましょう。北教組に結集しましょう。

 「栄養教職員のしごと」の連載2回目は、栄養教職員の勤務実態についてです。

 北海道においては市町村ごとに勤務実態が異なります。そのため栄養教職員は異動の度にいつ、どこで、どのように働くかを確認しなければなりません。

 働く場所(給食センターや勤務校)に何曜日のどの時間帯にいるのか、そして職務内容など確認することは多岐にわたります。

 今回は、ある栄養教職員の勤務実態をイラストで紹介します。

 栄養教職員は少数職種ゆえ1人で悩みを抱えてしまうことがあるかもしれません。しかし北海道、そして全国において仲間の輪が広がっています。更につながりを広げ、深め、勤務条件や悩みの解決に向けて活動しましょう。

 他の栄養教職員と交流すると、栄養教職員の仕事内容は自治体・勤務校によって大きく違いがあることがわかってきました。
私は学校給食を給食センターで調理している市の小学校に勤務しています。基本的に学校に勤務していますが、給食管理をするために給食センターに行きます。こうした働き方を栄養教職員の中では「センター勤務」と呼んでいます。道内では「センター勤務」の他に「親子共同調理場勤務(1カ所の調理場を親学校とし、近辺の小中学校を子学校として2~3校へ給食を配送する)」「単独校勤務(学校ごとに調理場をもつ)」「単独校に勤務しながら、他校の給食調理場も複数担当する」など、さまざまな実態があります)

 「給食管理」と一口に言っても、さまざまな業務があり、献立をたてるだけではないのです。安全な給食の提供のため、安全な食材を選定するところから始まります。

 業務の流れは、

 献立を作る際は、文科省の栄養摂取基準に則ること、予算内で行うことが絶対条件ですが、更に調理時間、人員、使用可能な機械、食器、入れ物などさまざまなことを考慮します。食材の選定は、旬のものを積極的に使用することや、食中毒の危険性がある時期に避けたい食材は入れないことなどに配慮しています。

 センター方式の場合、食数にもよりますが、同日に小学校・中学校が同じ献立を実施する場合と、別の献立を実施する場合があります。

 小学校と中学校で同じ献立が実施できない理由の1つは、食材が一度に納品されても時間内に処理できないという問題があるからです。例えば、カレーに入れるじゃがいもや玉ねぎは、どちらも使う量が多いので大量の処理をしなければなりません。皮をむく、芽を取る、切る、と下処理にかかる時間は膨大となります。

 また、主食を委託している場合は、小中学校の必要数を用意できない、配送できないなどの問題があり、苦肉の策として、別献立の実施となってしまいます。別献立の場合、小学校で揚物があると、中学校では揚物ができない、小学校で和え物室を使うため、中学校は和え物ではなく釜を使ったソテーにするなど献立に制限がかかります。

 教職員などから「麺の時はこの組み合わせが得意だね」等の感想をよく聞くことがありますが、他のメニューを入れたくても入れられないのが現状なのです。

 栄養教職員の努力だけでは、献立に対する意見を実現できない事情があることも知ってほしいのです。

 業者に「この月のこの日あたりにこの商品を使う」という購入計画を上げます。使用しているコンピュータソフトによってはここまでできないところもあり、その場合は手作業で計画を作成しています。

 業者は「このぐらいの量(数)を使ってくれるなら、このぐらいの値段で納入できるので、メーカーにその旨を連絡しておきます」という運びになります。

 食数が多いと受注生産となるので、行事予定などを考えながら購入計画を策定します。指定した日に見積をあげてもらい、値段や品質、産地や工場の所在地など、安全を確認の上、落札。その後契約業務となります。

 契約が終わって初めて発注ができます。発注書の作成はお金に関わるため非常に重責です。栄養教職員は、各家庭から集めた大切なお金を1円たりとも無駄にできないという意識を強く持って業務を行っています。

 作り方はもちろん、調理する釜の数に食材をどのように振り分けるか、食中毒を出さないための調理員の動線、時間までに作り上げ学校に運ぶまでのタイムスケジュール、野菜の切り方など細かい調理指示の書類を作成しています。

 (直営の場合は場長やチーフが作成。委託の場合は委託会社が作成するが、いずれの場合も衛生管理責任者である栄養教職員が最終チェックを行う)

 例えばカレーに入れる人参と炒め物に入れる人参では切り方がちがうため、「これはこの機械を使って何㎜に」「これは何㎝の手切りで」と、メニューごとの指示が異なるため、詳細を記載した書類が必要です。

 上記業務の他に給食だより、「食育」だよりなどの配布物作成というように、給食を作る前まででこれだけの業務をしています。

 センター勤務をしている栄養教職員の働き方で自治体によって大きく異なる点の1つが、学校に行ける日数や時間が比較的多い・なかなか行けない、ということです。学校とセンターでの勤務時間比率は、栄養教職員個人が決められる問題ではなく、教育委員会との話し合い、コンピュータのシステムの問題など、あらゆる条件・要因が関係しています。

 栄養教職員の配置は各自治体にゆだねられていますが、文科省が「食育」を強化するという流れにおいて、遅れをとらないようにと、機構整備や条件整備などさまざまな整理をしないまま配置した自治体も少なくないと思われます。

 栄養教職員が学校配置になった時点で、それまで栄養職員の時に行っていた業務内容のうち、栄養教職員でなければできない業務以外を行うための人員配置(事務員など)、もしくはセンターでの勤務曜日や時間帯などを調整するといった条件整備がしっかりできなかった自治体では、「もっと学校にいる時間を増やしたい」と思っていてもセンターに長時間いなければならない状況の人も少なくありません。しかし、現状では財政的に厳しい中で新たな人員配置を望めないところがほとんどです。

 センターより学校の勤務時間が長い栄養教職員は、学校にいる時間が増えることで、授業に限らず日常的に食教育をすすめることができます。しかし給食管理もしなければならないため、4時、あるいは5時から給食管理業務をすることなります。現在、多くの自治体において給食管理はコンピュータを活用した「給食管理システム」を使用していますが、セキュリティー対策から、給食センターでしか使用できない自治体がほとんどです。その場合は、学校にいられる時間はどうしても短くなってしまいます。

 「栄養教諭制度」を導入する際、それまでの学校栄養職員の職務内容を何ら整理しないまま指導業務が追加されたため、業務が増えたことは明らかです。そのために栄養教職員は超過勤務や休日出勤を強いられている状況なのです。 

                                       【後編に続く】

 栄養教職員は「学校給食衛生管理基準」(2009年文科省告示)による衛生管理の徹底が責務です。そのため、給食の実施(給食を作ること)には、計画時にも増して緊張を強いられます。

 給食を実施するためには、まず食材が発注通り納品されているかの確認(検収)が必要です。検収の際には品質のチェックもします。納品時間や納品時の温度、賞味期限や包装に破損はないか、芋などはランダムに抽出して包丁で切り、中が腐っていないか等、細かくチェックします。検収は調理員が行い、検収責任者である栄養教諭が最終確認を行うことが仕事の流れとしては理想ですが、人員不足のため、検収の全工程に立ち合っている栄養教職員も多く、学校の勤務開始よりも早い7時半、あるいはそれより早い時間に出勤している栄養教職員もいます。

 野菜や肉などは段ボール箱で納品されますが、数量を確認した後は、消毒済の容器にすべて移し替えます。昔は、段ボール箱ごと冷蔵庫、冷凍庫に入れ、使うときには段ボールごと調理場内に持ち込んで作業を行っていましたが、O-157の食中毒事件以降、衛生管理基準が厳しくなり、食材の移し替えも重要な工程となっています。
 これだけの工程が終わって、やっと給食を作る段階になります。

 給食センターでは食材の加工にさまざまな機材を使います。例えば野菜をカットする機械は、分解して消毒・保管している部品に刃こぼれなどがないかなどを点検して装着、安全に取りつけられているかを確認して初めて使える状態になります。野菜を切る前には下処理もしなくてはなりません。芋や玉葱などはピーラーという皮剥き器にかけ、ある程度皮をとったら手作業で、玉葱なら、残った皮をむき、切れ目を入れていきます。また、じゃが芋などは芽とりという工程もあります。そこまでやってはじめて機械で切ることができます。また葉物は1枚1枚葉を外し3層のシンクで洗っていきます。時期によっては青虫やアブラムシ、また葉の中に潜っている通称「葉潜り」を見つけ除去します。また洗ったものに再び虫が付着しないように水をオーバーフローさせながら洗浄していきます。虫が多い時には4回、5回と洗浄することもあります。野菜は時期によって廃棄率が変わることも視野に入れながら発注しますが、思っていたよりも廃棄が多く、必要な分量に足りない等の事態にも、即座に対応できるようにしておく必要性があります。給食は決まった時間にセンターを出発するため、「どうしよう」などと言っている時間はありません。

 調理中は、作業工程書の指示どおりに調理員が動いているか、衛生的に安全か(中心温度は確認したか)、予定どおりの味つけであるか、出来上がりの量は規定どおりか、出来上がりの時間はどうか、と配慮しなければならないことが多岐に渡ります。これらの対応を代わりにしてくれる人は他にいません。そのため、給食調理中の時間帯にデスクワークはほとんどできません。

 給食を予定どおり各学校に配送できても、まだ安心はできません。給食時間が始まったころに学校から電話が入ると緊張が走ります。異物混入か、数不足か、などさまざまな想像が脳裏をよぎります。給食時間に合わせて、給食指導のために勤務校に戻りたくても、そのような事態が起きると、学校に行けなくなります。栄養教職員が食教育にしっかりとりくむためには、配送後の対応は栄養教職員以外が対応できる体制を整える必要があります。

 給食センターの事務所に市町村の職員がいるようなところは、このような事態に対応できます。しかし、栄養教職員1人しかいないセンター、あるいは栄養教職員とパートの事務員などが配置されているセンターにおいては、栄養教職員が対応しなければなりません。かつては、どんなに小さなセンターであっても「センター長」、あるいはそれに相当する人員の配置がありましたが、現在は栄養教職員1人しかいないというセンターも少なくないと聞いています。

 一般教員同様、栄養教職員にとっても超過勤務が「当たり前」となってしまっています。しかし、少数職種ゆえに、この実態を誰に伝えたらいいのかと悩み、改善策も見当たらないまま日々を過ごしている栄養教職員は少なくありません。多くの栄養教職員が、歯を食いしばって耐えながら、「いつかは自分たちが求める栄養教職員になりたい」という気持ちで毎日を乗り切っている状況です。

 1人の声では届かないかもしれませんが、組織化することで届けられる声もあります。
 北教組栄養教職員特別委員会では、学習会を行ったり、現場の声を行政に届けたりする運動をしています。

 毎年恒例の「秋の学習会」が、10月13日に北海道教育会館で開催されました。道議会議員、川澄宗之介さんを講師に招き、2018年3月に道教委が通知「学校における食育推進体制の整備について」を発出した経緯の説明や、現場実態交流が行われました。

 川澄道議からは、栄養教職員の厳しい現場実態について、道教委や市町村教委、そしてセンター長にすら声が届いていなかった状況があったことから、道教委にアンケート調査を行わせたこと、川澄道議による職場訪問などの調査、川澄道議の仲介により実現した栄養教職員と道教委の意見交換会などを経て通知が出されたことについて説明がありました。この通知に至るまでには北教組栄養教職員特別委員会のとりくみが大いに影響したとのことでした。通知は「食教育を推進するため、地教委、配置校校長、共同調理場長が連携して年度初めに栄養教職員の勤務条件等について確認する」ことを指示するものでしたが、参加した栄養教職員からは、「昨年度と比べて、何も変わっておらず、状況は改善されていない」「話し合いはもっていない」など意見が出されました。さらに参加者からは「職員会議と全校給食の時にしか学校に行かない」「職員室の机は他の人と共同使用」「所属校(小学校)が開校記念日で休業日でも、中学校に給食を出すためボランティア出勤を強いられた」「『このままではいいところに転勤させてあげられない』『給料が上がらない』との理由で自己評価の書き直しを命じられた」など改善すべき実態が挙げられました。

 道教委の調査では、「教職員全体で組織的に食育を推進するための体制を整備している」学校が68.2%とのことですが、参加者からは、「全体計画を作っているだけで『整備している』と回答しているのではないか」という感想が出ていました。

 市内・町内まんべんなく平等に食教育をすすめて欲しいと自治体に求められるものの、「給食管理業務で1日が終わる」「自分の所属校の食教育ももっと充実したいと考えている中で、なかなか複数の学校を回る余裕がない」など、問題点ばかりが出てきました。

 栄養教職員は、給食を提供する子ども1800に1人の配置です。食に関する指導を求められるのであれば、人数に対してではなく、担当学級数を考慮して配置しなければ、とても手が回るものではありません。

 特別委員会として一人ひとりの声を大切にし、勤務環境・条件改善に向けて、これからも粘り強くとりくみをすすめていくことを確認し、学習会を終えました。

日本教職員組合 北海道平和運動フォーラム 連合北海道 教職員共済 北海道労働金庫 学校生活協同組合
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