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 文科省は2月14日、「小中学校の学習指導要領」と「幼稚園教育要領」の改訂案を公表した。その内容は、@グローバル化の進展や人工知能(AI)の進化などの社会の変化に対応するとして、国家や企業が求める「人材育成」をすすめる、A「前文」を新設し、改悪「教育基本法」にもとづく「愛国心」などの国の特定の価値観を押しつける、B「小学校英語」の教科化や「プログラミング教育」の必修化など授業内容や方法・評価にまで介入し、時数を大幅に増加させ教育現場にさらなる負担を強いる、など教育の目的を「人格の完成」から「国家のための教育」に変質させる戦後最悪・最大規模の「改訂案」となっている。
 「改訂案」では、小学校5・6年の「英語」を教科化、3・4年に「外国語活動」を前倒しし、そのため授業時数を年35時間(週1時間)増やした。



 これにより、「週28時間が限度」とされてきた時数が、小学校4年生以上で「週29時間相当」となった。増加した分の時数確保については、給食時間の後や下校時間前などの短時間学習や土曜授業の活用などを例示し、学校で工夫して捻出するよう求めた。これらは、教育課程を一層過密化させるばかりでなく、すべての子どもにわかる授業とゆとりを保障する「学校5日制」の理念を蔑ろにするものであり、断じて容認できない。さらには、小学校段階では母国語による理解力 ・思考力 ・表現力の向上を最優先させるべきであり、早期の「外国語」指導による弊害が危惧される。
 先行して改悪された「特別の教科 道徳」は、「検定教科書」を導入し、国が定めた22項目の「徳目」を教え込むとともに、「評価」を実施することを明記した。

 これらは、子どもたちに一方的な道徳観・価値観・家族観を押しつけるなど「従順な国民づくり」を企図するものである。また、「評価」は子どもの内心に踏み込むもので許されない。「道徳教育」については、全領域を通して人権教育をすすめ、「科学的認識」と「自主的判断力」を育み、平和と民主主義社会を担う主権者としての「人格の完成」へと結びつけていくべきである。
 小・中学校の社会科において、「政府見解」を一方的に押しつけ、北方領土に加え、竹島や尖閣諸島を「固有の領土」と明記し、中国や韓国の立場について「並べて教えることは想定していない」とした。「領土」については、史実を正確に伝え、「領土」を取り巻く複雑な歴史や国際的な状況も合わせて学習することが重要である。

 これまで私たちは、目の前の子どもの実態に合わせて、教育の目標や内容・指導方法を教育現場で創り上げてきた。今回の改悪では、これまで各教科の内容が中心だったものに詳細な目標を加え、教科の学習を通して「どのような資質・能力を目指すのか」を前面に打ち出すとともに、その達成に向けて学習内容から指導方法や評価のあり方にまで細かく言及した。その上で、現場に対して「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を求めた。これらは、「カリキュラム・マネジメント」と称して現場の裁量や教職員の主体性・工夫を奪い、教育の画一化を招くとともに、「評価」のための授業となり、子どもたちのゆたかな学びを阻害するものである。

 学校現場では、「学習指導要領」の画一的な押しつけや「点数学力向上施策」と「競争と管理」の教育の下、子どもたちは学ぶ楽しさや意欲を奪われ、学びから逃避し、いじめ・不登校など様々な形で苦悩を表出している。今回の「改訂案」は、新たな「格差」を生み出し、子どもたちを一層追い詰めるものである。

「連合総研」の調査では、労働時間が週60時間以上だった教員の割合は小学校72.9%、中学校86.9%に達しており、教職員が超勤多忙化の常態化に苦しんでいる実態が明らかになった。「質・量」ともに求める「改訂案」は、教職員から「子どもに寄り添う時間」「教材研究の時間」を奪い、限界を超えている現場を一層苦しめるものである。教育行政の責務は、教職員がこれ以上疲弊して子どもたちに向かうことのないよう、定数改善や超勤多忙化排除、自主的研修の保障などの教育条件整備を行うことであり、「改訂案」は本末転倒と言えるものである。

 文科省は、年度内に「学習指導要領」改訂し、小学校は20年度、中学校は21年度から完全実施するとしている。また、18年度から「小学校外国語」を中心に前倒し実施を目論んでいる。

 私たちは、「改訂学習指導要領」をはじめ「学習指導要領」体制を批判し、憲法・「47教育基本法」・「子どもの権利条約」の理念に則ったゆたかでゆとりある教育の実践をすすめるため、教育課程の自主編成運動と職場教研体制を強化するとともに、民主教育の確立を求めて道民運動を強力に展開していくことを表明する。


2017年2月24日

                                  北海道教職員組合

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