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 道教委は9月4日、2019年度から3年間の「公立高等学校配置計画」と2019年度および20年度以降の見通しを示した「公立特別支援学校配置計画」を決定した。

 「公立高等学校配置計画」の内容は、19年度について、①夕張、松前を地域連携特例校とする、②私立江陵(4学級)と道立幕別(1学級)を再編統合し3学級の新設校を設置する、③1学級相当以上の欠員が生じ学級減とした15校のうち12校は1学級を復活し、2学級減とした深川西は1学級のみ復活、野幌と根室はそのまま1学級減とする一方で、羅臼は管内の中卒者数増を理由に1学級増とした。20年度については、①釧路工業の電子機械科を1学級減じ、深川東など5校についても1学級減じ学科転換する、②岩内の事務情報科を地域産業ビジネス科に学科転換し単位制を導入するとした。さらに、21年度については、①南幌を募集停止とする、②道立女満別と町立東藻琴を再編統合し1学級の町立校を新設する、③滝川など16校で計17学級減とする、④伊達緑丘の1学級減について、今後の市の検討結果を勘案し伊達との再編を含め変更することがある、とした。

 これらは、6月に公表した「配置計画案」と何ら変わらず、「これからの高校づくりに関する指針」(以下「指針」)にもとづき、今後3年間で1校の募集停止をはじめ再編・統合、学科転換などによって56校で57学級減の大規模削減を強行するものである。 

 道立幕別と私立江陵、道立女満別と町立東藻琴の再編統合および伊達と伊達緑丘の再編検討などは、自治体の意向を口実にした「指針」「配置計画」にもとづく機械的削減であり、子どもや保護者の要求を蔑ろにするものである。また、深川西、野幌、根室の学級減を今になって決定したことは、進学を考えていた子どもや保護者にとって、進路変更の検討を余儀なくされるなど、大きな混乱を生じさせるものである。

 「公立特別支援学校配置計画」は、19年度について、6月の「配置計画案」に加え、新たに平取養護と旭川養護の普通科重複学級をそれぞれ1学級増とし、全しょうがい児学校61校において6学級23人の定員増とした。さらに、20年度についても全道で5学級相当の定数増を検討するなど、分離・別学を一層加速させるものとなっている。

 道教委が「特別支援教育」の名のもとにすすめる差別・選別の施策は、中卒者数が減少傾向にあるにもかかわらず特別支援学校への入学を希望する子どもの数を年々増加させている。「分けることは差別につながる」とした「国連障害者権利条約」の理念にもとづき、希望する子どもたちの地元の普通高校への入学を保障するよう、すべての学校において「合理的配慮」などの教育条件整備をすすめることが、道教委の果たすべき最大の役割である。

 本「配置計画」は、高橋道政による中央追随・財政最優先、地方切り捨ての政策にもとづくもので、地域の経済を一層疲弊させ、文化の衰退を招くとともに、子どもたちの遠距離通学や保護者の経済的負担を増加させ、「貧困と格差」を拡大させるもので、断じて容認できない。私たちはこれまで、北教組要請行動や地域別検討協議会において、「指針」「配置計画」の撤回 ・再考を求めてきた。中卒者数の減少期だからこそ道教委は、一人ひとりの子どもたちの要求に応えゆたかな後期中等教育を保障すべきである。

 私たちは引き続き、子ども・保護者・地域住民の高校存続を求める声を結集し、希望するすべての子どもがしょうがいのある・なしにかかわらず地元で学べる「地域合同総合高校」の設置など、子どもの教育への権利と教育の機会均等を保障するための道民運動を一層強化していくことを表明する。

  2018年9月4日

                                    北海道教職員組合