北教組第134回定期大会の開催にあたって北教組本部を代表して、ご挨拶申し上げます。
まず、感染症の影響が残る中、学校現場おいて、子どもたちのために日々奮闘されている組合員・役員の皆さんの本大会への結集に心より感謝申し上げます。
さらには、全国連帯の日教組運動の先頭に立ってとりくみをけん引している日教組瀧本司中央執行委員長、そして、道民運動をはじめ多くの運動に連帯していただいている連合北海道杉山元会長のお二人に来賓としてご臨席いただいていることに組合員を代表して厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
さて、前回の定期大会は、感染症が収束していないことから、代議員数等の制限、時間短縮での開催となりましたが、本定期大会が、これらの制約がほぼない開催に漕ぎつけたことは、今後の北教組運動強化・発展の契機となりうるもので、現場実態にもとづく、闊達な議論をしていただくよう、冒頭、お願いを申し上げさせていただきます。
北教組は、この2年間、「超勤多忙化解消をはじめとする勤務条件改善」 、「自主編成運動による民主教育の確立」を運動の基軸として、あらゆるとりくみを組織強化・拡大に結合させることを目標に、「運動の焦点化・効率化」の考えのもと、とりくみをすすめ、本定期大会を迎えることとなりました。
私たち北教組運動の原則は、子どもたち・教職員・地域社会の現状を捉え、運動の歴史を振り返り、運動方針・理念にもとづき議論をして行動、そして総括をし、新たな方向性を導き出すというものです。その手順は、一つも欠かすことのできない重要なものでありますし、学校現場でのゆたかな教育をめざした実践と同じ過程を経るものではないでしょうか。
「教え子を再び戦場に送らない」のスローガンも痛恨の極みを経た振り返りであることは間違いありません。国民学校の教壇に立ち、戦争の悲惨な歴史を振り返った元組合員の熊谷克治さんは、北教組結成30周年に寄せた詩に、「教科書に黒々と墨を塗る震えた指先を見て、教え子を戦場に送るためにチョークを握っていた日々を思い出し、洗っても落ちない血まみれの指先でふたたびチョークを握る胸の苦しさ」と詠い、心からの叫びとして、「教え子を再び戦場に送らない」と誓っています。こうした、先輩諸氏の振り返りを北教組運動の原則とし、守れ抜く私たちの運動に貴重な意義、そして誇りを感じるものであります。
さて、今現在、これ以上の痛恨の極みとなるものは幸いながら、存在しないものの、子どもたちは過度に競争的なカリキュラムの中でストレス、負担が多い学校環境にいること。そして、教職員・組合員も、ほとんどの時間外勤務が自主的・自発的勤務とされる矛盾した給特法制下で、「学校の働き方改革」の成果・効果が見えておらず、生活時間が確保されず、病気休職者が増加し、教員不足が深刻化する状況はこれ以上放置できるはずはありません。自民党特命委員会の提言や中教審への文科省諮問事項は超勤を容認していることに、一人ひとりの組合員が危機感・怒りをもち、勤務時間内に業務が終わることをめざした運動の展開を全組合員で行うことが最大の課題となっています。未来、後輩教職員たちが、教職の魅力は不偏であるものの、生活のすべてを犠牲にしなければならない仕事と変わり果てたとき、子どもたちを一層苦しめることになってしまったと、振り返らないよう、今、私たちは全力でこの問題に立ち向かい、共感者を組合員・仲間にしていく絶好の機会に直面している状況にあります。
振り返れば、来た道はいつも嵐、といった先輩組合員がいます。しかし、確実に歩んで来た誇りをもてば、まだまだ団結してすすめるはずです。
今次、定期大会が、とりくみの中で仲間として一つになり、そして、行動することによって力をつける、展望のもてる北教組運動のスタートとなるよう、代議員・役員、本部執行部が議論を深め、成功することを祈念して、甚だ簡単でありますが、ご挨拶とさせていただきます。ともに頑張りましょう。
|