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 北教組・道私教協は、夕張市において11月1日から11月3日までの3日間、全道各地よりのべ3500人の組合員・保護者・地域住民の参加のもと、第69次合同教育研究全道集会を開催しました。

 安倍政権は、「戦争する国づくり」に向け、9条に自衛隊を明記する改憲を目論んでいます。また、それを下支えする「国家のための人材づくり」に向け、子どもたちの貧困と「教育格差」が固定化・拡大する中で、改訂「学習指導要領」にもとづき、政財界が求める「資質・能力」の育成と「道徳の教科化」による「愛国心」「規範意識」の押しつけなど、競争と管理の教育をおしすすめています。

 こうした中、2018年10月公表の文科省調査において、2017年度の「いじめ」「不登校」はいずれも過去最多となりました。また、政府の「自殺対策白書」(2019年7月)では、10代の自殺が過去最悪となり、その第一の要因が「学業不振」であることが明らかになりました。

 こうした状況に対し、国連子どもの権利委員会は、1998年以降の総括所見の中で、「高度に競争的な学校環境がいじめ、校内暴力、精神障害、不登校、中途退学、自殺を助長している可能性があること」「ストレスの多い学校環境から子どもを解放するための措置を強化すること」など指摘し続けてきました。しかし、政府・文科省は、これらを一顧だにせず、依然として「学力テスト」とその公表などにより競争を煽る差別選別と管理強化の教育をすすめており、子どもたちの苦悩は、年々深刻さを増すばかりです。 

 教職員も「点数学力向上」が至上命題とされる中で、「学校スタンダード」などとして画一的に「学習規律」や授業展開を押しつけられ創意ある教育実践が阻害されるとともに、押しつけられる業務も増大し、「過労死レベル」の超勤が一層深刻化しています。こうした中、10月18日に「1年単位の変形労働時間制」導入を可能とする給特法「改正」案が閣議決定されました。「1年単位の変形労働時間制」について文科省は「働き方改革」の一環として「まとめどり」をするとしていますが、これは教員の超過勤務を解消するものではなく、むしろ超勤実態を追認し、固定化・常態化させかねないものであり、給特法「改正」法案の一方的な導入を断じて許してはなりません。 

 私たちは今次教研において、今まさに危機に直面している「平和を守り真実をつらぬく民主教育」の確立をめざし、全道各地の「抵抗と創造」の自主編成にもとづく教育実践について論議を深め、未来の主権者であるすべての子どもたちに民主教育を保障するため、次のことを確認しました。

 第1に、憲法改悪を断固阻止するため、院内外の統一闘争を構築し、護憲勢力の結集と拡大をめざしてとりくむこと。そのために、組合員一人ひとりが自らの言葉で語る「教育を語る全道対話運動」を通して、「平和憲法を守る」「子どもの貧困・教育格差解消」「教職員の長時間労働是正」を重点課題に、地域住民・保護者との連携を強化すること。

 第2に、競争による差別・選別教育をおしすすめる改悪「学習指導要領」やこれにもとづく「学力向上策」「特別の教科 道徳」と対決し、教育内容・方法・評価への不当な介入を許さず、個人の尊厳を尊び平和を希求する主権者を育むため、人権教育・「主権者への学習」、憲法学習などをすすめ、子どもの多様な「学び」を保障する自主編成運動を強化すること。

 第3に、過酷な勤務実態を解消し、子どもと向き合う時間の確保とゆとりある教育活動をすすめるため、「1年単位の変形労働時間制」の導入を可能とするなどの給特法「改正」案の一方的な導入を許さず、教職員定数増・欠員解消、持ち授業時数減、部活動の社会教育への移行とともに、「給特法・条例」の廃止・抜本的見直しを求めること。また、道教委に対して「北海道アクション・プラン」の見直しを求めるとともに、やむを得ず行った超勤に対しては、勤務時間の割振り変更により直近に実質的な回復を措置させること。さらに「通報制度」「実地調査」など主体的・創造的な教育活動を阻み、教育の自由を侵害する不当な圧力をはね返し、民主教育の確立に向けて組織の総力をあげてたたかうこと。

 第4に、憲法・「47教育基本法」・「子どもの権利条約」にもとづく、子どもを主人公とした自主・自立の学校づくりをすすめること。また、「子どもの権利条例」の早期制定に向け、保護者・地域住民と連携し、連合・平和運動フォーラム・民主教育をすすめる道民連合など民主的諸団体との共闘を強め、「日の丸・君が代」強制に反対する運動などにねばり強くとりくむこと。

 第5に、文科省「特別支援教育」を実態化させず、「分けることは差別である」ことを確認するとともに、共生・共学をすすめること。また、共生社会の実現に向け、国連「障害者の権利条約」や「障害者差別解消法」の理念にもとづき、しょうがい者の社会的障壁を除去する「合理的配慮」をすすめること。

 第6に、評価結果を賃金・任用・分限等へと反映させ、学校現場の協力・協働を阻害する「学校職員人事評価制度」については、撤廃を基本に、差別賃金・管理統制強化とさせず、すべての教職員の賃金改善とするよう、各級段階におけるとりくみを強化すること。

 第7に、「主任制度」「主幹教諭制度」や「事務主幹制度」「新たなミッション加配」、中教審「特別部会」の「答申」にもとづく教職員の差別・分断、管理強化に反対し、自律的・民主的職場づくりと、主任手当の社会的還元を含め、組織強化・拡大を組織の総力をあげてすすめること。また、「協定書」破棄の実態化を許さず、諸権利定着・拡大、超勤・多忙化解消をはかること。さらに、「教員免許更新制」の早期撤廃に向けてとりくむこと。

 第8に、財政論に依拠した道教委「これからの高校づくりに関する指針」の撤回・再考を求め、希望するすべての子どもたちが地元の学校へ通うことができるよう高校を存続させるとともに、「地域合同総合高校」の実現など、受験競争の解消とゆたかな高校教育改革をめざすこと。そのため、保護者・地域住民との連携を強化すること。また、公私間の学費格差解消に向け、私学助成拡充を求めること。

 第9に、教育の機会均等を保障するため、「高校授業料無償化」への所得制限および朝鮮学校の無償化適用除外の撤廃、義務教育費国庫負担制度堅持・全額国庫負担を基本に、当面、負担率2分の1復元に向けて全国的な運動を展開すること。また、経済格差による「教育格差」の是正や「子どもの貧困」を解消するとともに「30人以下学級」の早期実現をめざし、当面、「第8次教職員定数改善計画」の策定や「道独自の少人数学級」の実施拡大、給付型奨学金制度の拡充、「就学援助」の拡大、教育費の保護者負担の解消など、教育予算増額に向けたとりくみを強化すること。

 第10に、「生涯健康管理体制」の押しつけに反対し、集団フッ素洗口中止、食物アレルギーに特化した対応の一方的な導入阻止、HPV・日本脳炎などワクチンの定期接種化の中止などを求め、子どものいのちと健康を守るとりくみをすすめること。また、特定の健康観の押しつけや差別につながる「全国体力・運動能力調査」の中止・撤回を求めること。さらに、個人情報保護の問題が危惧され、一層多忙化を助長させる道教委「校務支援システム」の早期撤廃、一方的な導入阻止に向けてとりくむこと。

 第11に、「女性差別撤廃条約」の理念にもとづき、女性参画を推進し、学校や社会における性差別や性別役割分業の撤廃に向け、とりくみを強化すること。ジェンダー平等に対する攻撃を排し、学校教育のあらゆる場面で「ジェンダーの視点」を取り入れた実践をすすめること。また、LGBTなど性の多様性にかかわる人権教育を一層すすめ、インクルーシブな社会を実現すること。

 第12に、未だに収束を見ない「フクシマ」の現状から、「人類と核は共存できない」ことを再確認し、反核・反原発の学習をすすめるとともに、泊・幌延・大間をはじめとしたすべての原子力施設の廃止・建設中止を求め、「核・原発のない社会の実現」に向けてとりくみを強化すること。また、「被ばく」により、いのちを脅かされている子どもたちの状況の改善を求めるとともに、再生可能エネルギーへの政策転換を求め、自然との共存をめざす教育をすすめること。さらに、辺野古新基地・南西諸島への自衛隊配備阻止のたたかいを沖縄と連帯してすすめること。

 世界の恒久平和を誓った憲法とその理念の実現をめざす民主教育は、今、戦後最大の危機に直面しています。私たちは、平和・人権・国民主権など憲法の原則を守り、個人より国家を優先する政府と文科省の政策を厳しく批判・分析し、「自分らしく」「よりよく生きる」教育の創造をめざして、地域・保護者と連帯して、自主編成運動をさらに押しすすめるとともに次世代へ継承することの重要性を再認識しました。

 「教え子を再び戦場へ送るな!」の決意を新たにし、憲法改悪に断固反対するとともに「47教育基本法」・「子どもの権利条約」の理念にもとづく「平和を守り真実をつらぬく民主教育の確立」に向けたとりくみを一層前進させていくことを確認し、集会アピールとします。

  2019年11月3日

                                第69次合同教育研究全道集会